警視庁は31日、「行政機関に義務づけられた障害者の雇用率を守っていない」として厚生労働省に是正勧告を受けた件について、
「採用すると業務遂行に支障が出るおそれがある」
と反論する見解を発表した。
警視庁によれば、「庁内で行われている業務はいずれも複雑で高度なものであり、障害をもっている人が対応するには不向き。勧告通り採用を行えば捜査活動が円滑にすすまなくなるおそれもある」という。具体的に、
- 踏み絵を無理矢理踏ませて容疑者に自白を強要する「鹿児島メソッド」は、肢体に障害のある者ではできない
- 視聴覚障害者では「見て見ぬふり」ができないので、「栃木リンチ殺人捜査」のような高度な捜査手法をとれない
- 精神・発達面に障害があると、「代用監獄」「有罪率99%」など法の理想と矛盾する現実をきちんと理解できない
など細かな反例が挙げられており、これらを除いて精一杯対応したのが現状だとのこと。
いっぽうで同庁広報部は、「Winnyによるエロ画像収集作業班や検挙したわいせつビデオのダビング班などについては、不祥事発覚とともに従事者のクビが切られてゆくため慢性的人手不足の傾向にある。こうしたところに障害者を採用していくことで人身御供としての活用を検討したい」と引き続き改善に取り組んでいく姿勢も示している。