29年前に東京電力・福島原発で制御棒脱落による臨界事故が起きていた問題で23日、東電の関係者は地元の大熊町を訪れ、町長らに報告と謝罪を行った。事故に伴う周辺住民らへの健康被害が報告されていないこともあり、会合は終始なごやかなムードで進行。一同は
「今後も協力して原子力を安全に運用していきたい」
と話し合っていた。
午前、大熊町役場を訪れたのは東京電力の勝俣恒久社長、福島第1原発の大出厚所長ら。志賀秀朗町長に出迎えられると「申し訳ございません」と深々と頭を下げつつ、福沢諭吉の図柄が印刷された分厚い事故報告書を手渡した。受け取った志賀町長は、
「しっかりやってもらわないと困るが、今回は何より数十年前の事故。放射線漏れなどがあればすでに健康被害というかたちで発覚しているはず。特に支障なかったのは何よりだ」
と、肥大した大脳を揺らしながら苦笑い。同席した助役も「町と東電さんでさらに緊密な協力関係を保つことで、発覚する事故を減らすことが急務だと思う」と、金色の目をらんらんと光らせて注文をつけていた。
いっぽう会合の終わり近くには、たまたま居合わせた町の収入役が突然卒倒してうわごとを口走りはじめるハプニングも。しかし、志賀町長が
「心配ありません。ただの
予知能力 の発作ですから。大丈夫かね? ソゴル君。なになに、近々また大事故が起きるのが見える…? 社長、これはさらに報告書が必要になりそうですな…」
と悠然と対処したおかげで事なきを得ていた。