愛するお菓子を守るため、幼い少女が孤軍奮闘──洋菓子メーカー大手・不二家(本社:東京)の工場で、ちょっとした美談があったことが判明した。なんと、あのペコちゃんが自社製品に悪漢の手が及ぶのを食い止めたというのだ。
珍事があったのは不二家埼玉工場。一昨年のとある早朝、職員が出勤してきたところ、場内に立っているペコちゃんの様子がおかしいのに気付いた。口元からいつもの舌ではなく、何か生き物の尻尾がのぞいている。調べてみると、ペコちゃんの口の中にはなんとネズミが50匹も捕らえられていた。
こうして、ペコちゃんが誰もいない夜の工場でひとり、ネズミ駆除をしていた事実が発覚。
「“右の手でなす善行を左手に知らしむるなかれ”というが、こんな幼い子がひとりでがんばっていたなんて…」
と社員一同心をうたれ、感謝状をおくったとのこと。式典の際もペコちゃんは恥ずかしいのか終始無言で、首をかしげるポーズを崩さなかった。
不二家社員の末端に至るまでの意識の高さが伺える一件だが、この美談の公表がかなり遅れたことについて不二家広報部は、
「考え方に甘さがあった。どう対応策を考えていくのかという点に気をとられ、公表するということに意識が及ばなかった」
と釈明している。