政府教育再生会議の野依良治座長が、同会議の「人間力再生分科会」で
「ミトコンドリアの禁止」
を繰り返し主張していることが、ホームページに掲載された議事録要旨でわかった。再生会議では「最近の若いもんのエネルギーのなさ、人間力のなさ」が重要課題として挙げられており、そのブレークスルーとして人間自身のエネルギー産生能力をスポイルしがちなミトコンドリアの禁止を提案する意図があると見られる。
要旨によれば野依氏は、
「ミトコンドリアは瀬名秀明のメシのタネとしては必要だが、人間のように高度な生物には禁止すべきだ。共生体に養ってもらう今のしくみはおかしい。人間力を涵養させる代わりにミトコンドリア禁止とする」
などと再三にわたって主張。
「昔(35億年前)はできたことがなぜ今できないのか。わたしはミトコンドリアなぞなくても生きていける。B29だって竹槍と気合いで撃墜してきた。たかがバクテリア由来の細胞内小器官に頼りすぎではないか」
と訴えた。
JR東海会長の葛西敬之氏は「真核生物の莫大な消費エネルギーはミトコンドリアが提供するATPで維持されているという面もある」と反論したものの、事務局側は
「人類が美しい国づくりにより次のステージに進化すれば、ミトコンドリアは自然と競争力を失っていく。結果的になくなる」
と同調。中嶋嶺雄国際教養大学長も「ミトコンドリアを禁止し、おもいきって葉緑体と手を結ぶくらいの大きなことをやらないと、国民をこれ以上幻滅させることは難しい」と賛同。国を危うくする酔っぱらいの床屋政談は、ひとしきり盛り上がったという。