文部科学省は25日、やむをえない事情で夏休みの自由研究を仕上げられなかった児童・学生向けに、
「夏休み課題遅延証明書」
の発行をはじめた。国際天文学連合(IAU)が昨日「冥王星を惑星から外す」新定義を決定した緊急事態を受けたもので、全国のよいこたちの救済をはかる。
証明書発行のきっかけになったのは、25日に文科省にかかってきた一本の電話だった。都内在住の小学生・たかしくんが、
「夏休みの自由研究として、2ヶ月近くにわたって太陽系のレポートを書いてきた。突然こんなことになり、イチからやりなおさなくてはいけないので困っている」
と相談してきたのだ。事態を重くみた同省は、
「この子はまじめに宿題をやっていたのですが、IAUのせいでパーになってしまいました。提出をもうちょっと待ってあげてください」
と担任教師に言い訳する遅延証明書を、たかしくんのために発行することにした。
同日午後には、たかしくん同様天文学関連の自由研究をしていた勉強熱心な子どもたちが、ネット経由でうわさを聞きつけて文科省に殺到。のべ30万通にのぼる遅延証明書が交付されたという。文科省の担当者は
「宇宙に興味をもち研究している子どもがこんなにいたなんて、よろこばしいこと。日本の宇宙開発分野の底の広さを実感した」
と話す。
なお、課題遅延証明書の発行対象は小学校・中学校に通う子どものみ。宿題のレポートを溜めこんでいる大学生には適用されない。