全日空グループ一部労組は、春闘を巡っての労使交渉が決裂。23日の初便から終日のストライキに突入した。これにより国内線で計115便の正常運行に支障が出た。同社では10年ぶりに起きた突然のストに、多くの乗客が思わぬ疲労を強いられることとなった。
「明日は筋肉痛間違いないね」
と苦笑するのは、羽田発・名古屋行き便を利用した愛知県在住の河合哲也さん(34)。同便はストライキの影響で「ぱたぱた係」乗務員がひとりも添乗しないという異常事態に。そのため、機内では乗客が交代で腕をぱたぱたさせ揚力を維持しなければならなかったという。
北九州市在住の会社員(42)は
「航路が長いから2,3回墜落しそうになったよ」
と疲れ切ったようすで語る。羽田・北九州間を飛び続けるあいだ、乗客らは「あとちょっとだ! がんばろう!」と励まし合いながら、なんとか腕をはばたかせて飛行を維持。本来なら乗務員にはばたきをまかせて優雅な飛行を楽しんでいたはずが、とんだ重労働を押しつけられたかっこうだ。
全日空乗員組合では
お客さまの腕を疲れさせてしまい、たいへん申し訳なく思う。しかし、安全にぱたぱたし続けるためには労働条件改善が必要。ご理解願いたい
としている。いっぽうの会社側は
理論的にはぱたぱたしなくても飛行機は空を飛べるはず。ぱたぱた係は不要
との信じられない理屈を述べており、いっこうに交渉に応じる姿勢を見せていない。事態は24日以降のスト延長の可能性も否定できない、最悪の展開を迎えることになりそうだ。
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