4月から施行の改正労働基準法に伴い開設された「東京残業時間市場」は8日、取引初日を迎えた。しかしながら市場は強い売り気配で進行。取引終了時の終値は
「1有給240時間」
と大幅な有給高となり、結局取引が成立しなかった。
東京残業時間市場(東残)は4月から
「残業時間が60時間を超えた従業員は企業から超過分の残業代を有給休暇で代替できる」
ことになったのを受けて開設された。代替有給休暇の取得をさらに促進するための市場で、労働者は余った残業時間をここで証券化して売買し、他人の残業と合わせて有給に取り替えることができる。
しかし、8日9時の取引開始直後から残業時間の売り気配が強く、昼前には一時「1有給480時間」の残業安を記録。その後落ち着きを取り戻したものの、最終的には1有給240時間の終値となった。けっきょく、この日は売買成立は1件もなかったという。
投資家のあいだでは
「有給はまだまだ安すぎる。ウチの会社では月800時間は残業しないと有給なんて取れない」
という観測もあり、当面は残業安基調が続くこととなりそうだ。