地デジへの移行促進を目的に、地上波アナログテレビ放送の画面上下に黒帯を入れる「レターボックス化」が7月をめどに始まる。この黒帯を活かし、従来アナログ放送の3倍のコンテンツを配信するシステムが、電通と民放各社・家電メーカーら主導で始まることがわかった。関係者は「既存のテレビを活用したニューメディアだ」として期待を寄せている。
レターボックス化では、地デジ用コンテンツを横長のハイビジョン比率のままアナログ向けに放送するため、画面上下にそれぞれタテ3分の1近い“黒帯”領域が出てしまう。新システムの
「アナログ++」
では、この領域に注目。上の帯と下の帯それぞれに他の番組を表示させることで、従来のアナログ1チャンネルに3チャンネル相当の配信能力をもたせた。
受信には特別な機材は不要で、視聴者は見たくない帯に紙を貼って隠すだけで、好みの番組を楽しめる。また、アナログ++対応テレビでは、見たい帯だけを表示する機能がつくという。
アナログ++を推進する企業らは
「従来機器のまま多チャンネル化が可能で、機材と電波の有効利用につながる」
とアピールする。既存の数千万台のアナログテレビユーザーに確実にリーチできることも、普及途上の地デジに対する大きなアドバンテージになりそうだ。