日経BP社は16日、都内で「ユーザー企業のためのエンタープライズ・クラウドフォーラム」を開催。注目のクラウド技術をテーマにさまざまなセッションをおこなった。中でも注目を集めたのは日経コンピュータ編集部・中田敦記者のセッション「みえてきたクラウドのコスト」。講演で中田記者は
「Googleはサーバ負荷に合わせて人類の数を最適化するデータセンター技術をすでに実用化している」
という驚くべき事実を明らかにした。
仮想化されたサーバ・データセンター群によりWebサービスを展開する、いわゆるクラウド技術についてはGoogleとAmazon・マイクロソフトの三巨頭が抜きん出ているが、Googleはとりわけ巨大な検索サービスを提供するため“非常識”とも言える技術を独自に実装している。特にクラウドの肝とも言える「負荷急上昇時の対応方法」については単純なリソース配分調整に終始している他社と異なり、
「そもそもの高負荷の元凶である人類の数を減らし、QoSを安定させている」
と同記者は語る。
この技術はGoogle社内では
「Tatari」
のコードネームで呼ばれており、かなりの実績を積んでいるとのこと。具体的には、Google各種サービスへの負荷が一定値を超えるとインターネット経由で特殊なスカラー波をクライアントPCに送信し、ディスプレイから利用者に向け有害電磁波を放射する。これを浴びた者はポックリと死ぬため、負荷に応じてスカラー波送信相手数をコントロールすれば、人類の数を最適化して一定のQoSを保つことができるというわけ。まさに「Do not evil」を掲げ万事技術力で解決しようとするGoogleらしい“非常識”なデータセンター技術だ。
いまのところTatariには「ピアツーピアでしか動作しないため突発的な負荷増大には対応できない」という弱点があるが、Googleでは
「マルチキャスト技術により一度に数十~数百万のオーダーで人類数を最適化する方法」
についても研究を進めているという(コードネーム:Kaku)。いっぽう、中田氏によるセッション中には「そうだったのか…」と突然嗚咽する者や
「去年パソコンの前でポックリ亡くなったおじいちゃんを返せ!」
とネットの進化に抗議する無知蒙昧な輩もちらほら見受けられた。Googleは、まだまだ人類を最適化し足りないようだと感じた。