アメリカ航空宇宙局(NASA)が、40年ぶりに再編集版を公開したフィクション映画
「新劇場版アポロ拾壱号」
に、主に若年層から批判の声があがっている。「作り物とすぐわかる間違いだらけ」「作画が崩壊している」というのだ。やはり誰も行ったことのない月世界を描くのは、現在のNASAの技術力をもってしても難しいのか…。
「~拾壱号」は、「人類が1970年代に月の有人探査を実現する」という荒唐無稽な内容で世界的な話題を呼んだ映画「アポロ11号」のリメイク作品。徹底した科学考証とデジタルリマスターなど最新技術を活用し、より迫力ある映像に仕上げた…というのがウリ。しかし、NASAがWebサイトで新作を公開すると同時に多くの視聴者から矛盾を指摘する声が殺到しはじめた。
いわく、
- 風がないはずの月面で星条旗がたなびいている
- 太陽しか光源がないはずの月面で、作業中の飛行士らの影が複数の方向に伸びている
- 撮影された宇宙飛行士のバイザーに、カメラをもっているはずのもう一人の宇宙飛行士が映っていない
などなど…。また「スチルはキレイなのに動画の画質が悪すぎる。作画崩壊だ」とも指摘されており、「フィクションだから」では済まされない質の低さが浮き彫りとなった。
月面の科学現象に詳しい使徒の渚カヲルさんは
「フィクションなので完璧がありえないことはわかっている。しかし、アリゾナ砂漠でロケするしかなかった旧作の時代と異なり、今ならCGで未知の世界さえ違和感なく映像化できるはずた。40年間進歩のないNASAの技術力に絶望した」
と語る。世界を欺く映像をつくるなら、NASAにはもっと巧妙にお願いしたいものだ。