京都大学といえば自由な学風で知られる西の最高学府。中でも毎年新入学の時期に正体不明の何者かが勝手に設営する「折田先生像」は、その気質を表すものとして有名だ。折田彦市氏は京大建学に尽力した功労者で、像は氏にさまざまなコスプレをさせて楽しんだもの。その折田先生像が、今年は季節外れにも二回目の登場を果たしキャンパスの話題をさらっている。
京大関係者によると、新たな折田先生像は22日朝に大学の中庭で発見された。高さ約2メートルのハリボテで、全身を黄色い感染防護服に身を包んだ姿。脇には例によって看板が立てられ、
「新型インフルエンザ先生は、豚由来ウイルスとしてパンデミックに尽力し、日本人がパニくりやすいという事実をあぶりだすために多大な功績を残した人です。どうかこの像にむかってせきやくしゃみをしないでください」
と書かれていた。
学生らは像を見ると遠巻きに観察したり、マスク姿でおそるおそる近づいてケータイで記念撮影をする者も。新入生は「時期が時期だけにびっくりした。京大らしい校風の洗礼を受けた気分だ」などと話していた。
いっぽう、学外からは「不謹慎きわまりない。あんなものを放置しておいて、万が一ウイルスが発生したらどうするのか」「謝罪しろ」など抗議の電話が数十本寄せられているという。京大広報部は「特に問題ないと考えている。ただ、ハリボテは降雨などで壊れてしまうことが多い。設営者は無残な姿になる前に自主的に撤去してほしい」と話している。