民主党は11日、党名を変更し新たに
「辞任党」
に改称する方針を明らかにした。辞任をテーゼとする政党として新たなスタートを切ることを目指したものだが、有権者のあいだでは
「所属政治家の金権体質や政策だけでなく、名前の響きまで自民党とそっくりになってしまった。違いがわからない」
と困惑する声が広がっている。夏にもおこなわれると見られる衆議院選挙のゆくえに大きな影響を与えそうだ。
新しい辞任党では、旧民主党の「さっさと辞めときゃいいときでもとりあえず居座る」という綱領を排し、
「バタバタと辞任する」
ことをテーゼとする。すでに同党では代表に次ぎ幹事長が辞任を表明しており、辞任党の名にふさわしい行状を呈している。
いっぽう、名称変更に困惑しているのが有権者たちだ。
「辞任党? えっ? 自民党と一文字しか違わないんですか? …また区別しづらくなったなあ」
と答えるのは、新橋駅前でインタビューに答えてくれた35歳のサラリーマン。もともと旧民主党は党員の多くが
- 自民党とおなじ金権体質
- 国家の舵取り能力がなく官僚まかせ
であり、区別しづらいとの苦情が多かった。しいて言えば辞任党では代表や幹事長が(遅めに)腹を切るが、自民党では有権者が会社で首を切られる程度の違いしかなく、衆院選でも自民と辞任の違いに気づかず投票するトラブルが多発しそうな勢いだ。
総務省の中央選挙管理会では「名前がまぎらわしいことで選挙に不都合が生じそうな場合には、両党からの立候補を無効とすることも検討したい」と、事態の推移を慎重に見守っている。いっぽう、最近副業ではじめた「蟹缶」の販売が好調な日本共産党の志位和夫委員長は、
「こんな時代だからこそ、たしかに野党とわかる党が必要です」
と「まぎらわしい政党に票を入れるくらいならわが党に一票を」と話している。