宮崎県が過疎化で生活が維持できなくなった集落の呼称を“限界集落”から“いきいき集落”に変更して話題を呼んでいるが、このみごとなアイデアをさっそく厚生労働省も取り入れることが2日決まった。これまでなにかとネガティブなイメージを与える原因になってきた「医療崩壊」を、
「いきいき医療」
と改称するというもの。省令により即日公布され、違反した場合は処罰される。
医療崩壊という言葉については、急に産気づいた妊婦が救急受け入れ先がないために死亡したり、そもそも人手が足りず看板を下ろす病院が続出したり、医師も看護師も過重労働で毎日死にそうだったり、ちょっと皮を切るだけなのに10万以上取られて保険が効かなかったり…と、ネガティブなイメージが巷間に流布され社会を暗くする一因となっていた。
厚生労働省では
「暗いイメージはあくまで一面的なものの見方。救急車がたらいまわしで駆けずり回っているのも、医師・看護師がハードワーキングなのも、別の視点で見ればまさに“いきいき”しているいいこと」
と話す。今後各方面で「いきいき医療」への言い換えを厳守するよう通達していく考え。「日本は侵略戦争をしたとか、三等国だとか言っていると子どもたちの性格が歪んで社会がおかしくなるのと同じ。いいことを見つけて、そこを伸ばしていく姿勢が医療でも大事だということです」と同省の担当者は語る。
なお、同様の言い換えについては他省も検討を進めており、金融庁が乱高下する国際金融市場を「いきいき市場」と改称する案も浮上している。美しい言い換えによって、日本が「いきいき日本」へと変わっていく日が一日も早く訪れてくれることを祈りたいものだ。