「われわれもWeb 2.0の仲間に入れてほしい」─格式にこだわる日本の伝統文化も、いよいよインターネットのユーザーの力に注目しはじめた。茶道界でトップシェアを誇るベンダーの裏千家は11日、正式にマッチャアップに対応したことを明らかにした。
京都上京区小川寺之内上の今日庵でプレス向けに茶会を開いた十六代家元・坐忘斎は、みごとな所作で臨席した客に次々とお抹茶を点ててはふるまった。裏千家らしい泡立ちの薄茶はまさにマッチャアップと呼ぶにふさわしいもので、一同は「けっこうなお手前で」と敬服しきりだった。
坐忘斎は、
「最近のインターネットでは抹茶が流行っていると聞き、“ようやく茶道復権の時代がやってきた”と感じた。今後は各地で参加者を募り、積極的に開発者合宿を行って茶の湯の良さを広めていきたい」
と意気込みを語った。散会後、六本木あたりで開かれる野暮な発表会にしか行き慣れないIT関係紙の記者らが、正座で足がしびれて軒並み動けなくなっていたのが印象的だった。