あの名作が、大きなお友だちのために装いも新たに帰ってきた! 子どものころ“かぎっ子”なら誰しも「ああ、うちにも来ないかな…」と憧れた、かぎっ子の味方「かぎばあさん」の新シリーズが登場だ。その名も「ふしぎなかぎメイドさん」。児童文学と萌えが、いま高次元での融合を果たした!
あらすじ:広一は三十過ぎて独身のIT企業社員。セキュリティホールだらけのWebサービスを開発しては、誰もいないワンルームへ0時過ぎに帰る毎日を過ごしている。そんなある晩、会社から帰った広一はかぎがないことに気づく。「これじゃおうちに入れない。深夜アニメの録画予約もしてないのに…」と途方に暮れる彼の前に、ひとりの萌え萌えメイドさんが現れる。
「かぎメイドさん」
と名乗る彼女は、ふところから合い鍵を取り出して部屋に入れてくれたうえ、あんなことやこんなことをしてくれて…。
サービス残業で疲れ夜のベッドが寂しい独身男性を救う救世主として、「かぎメイドさん」が魅力たっぷりに描かれている。かぎをなくし泣きそうになっている広一が
「お帰りなさいませ、ご主人さま」
と部屋に入れてもらうシーンには、思わずじんときてしまった。部屋に入ったあとには、かぎメイドさんが熱いスープをふーふーして飲ませてくれるなどサービスたっぷり。もちろん、「かぎばあさん」で人気のあった「パイナップルのせハンバーグ」も登場する。ただし、かぎメイドさんにはドジっ娘属性が付与されているため誤って青酸カリが混入されている─というのが現代的。
しかし、ひとしきりファンタジーを楽しんだあとのオチが、「実は新手のデリバリーヘルスでした」というのはいただけない。もう少し夢を見せてほしかった <作:山田悠介、画:岡本颯子>