東京都の石原慎太郎知事が、講演の席で「親バカ」を揶揄する発言を行っていたことが5日までにわかった。わが子の才能を無根拠に信じ込む子煩悩な親を傷つけるものとして非難を呼びそうだ。
問題の発言があったのは今月初旬。都内で開かれた支持者向けの講演会で
「歴史上もっとも有害なのは親バカ」
と発言していた。出席者によると、
「才能のない子どもにはスッパリ
“お前には芽がない”
と引導を渡してやらないと、社会の発展を妨げ害毒をたれながす。例えば、自力で食えない絵描きを記者の前で
“立派な絵描き”
などと呼びおだてるのは論外」
とも話していたという。
また、知事は
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすという。子どもが親の周りをウロチョロしておこぼれ仕事に預かろうとしていたら蹴り飛ばすべき。ファイティングスピリットが育たない」
と喝破し、タカ派的教育論を繰り広げたとのこと。
この発言に早くも各界から非難の声が巻き起こっている。有識者のひとりは、
「親としては公私混同と言われようと都政私物化と言われようと、子どもを甘やかしたいのは人情。ガラパゴスクルージングにも、スイス見物にも連れて行ってやりたい。自称絵描きのニートには、アルバイトを世話してやりたいじゃないか」
と評し、石原都知事の親バカを許さない厳しい姿勢に疑問を呈していた。