茨城県の農業地域・那珂市で5日、穫り入れを目前に控えた「プレイステーション3」が何者かによって大量に盗まれるという事件が発生。
熟したPS3だけを摘み取っている
ことから那珂署では「ヤミ市場での販売を狙ったプロの犯行」と見て捜査している。
被害に遭ったのはPS3農家を営む久夛良木健さん宅のPS3畑。5日午後、畑の見回りに来た久夛良木さんがあちこちのPS3の木から果実がもぎとられているのを発見。警察に通報した。盗まれたのはいずれも週末にも収穫される予定の熟したもので、ヤミ市場で高値がつく「60GB」と呼ばれる品種ばかり180個。太田市場での取引価格に換算して、1000万円ぶんに相当する。
那珂市は農業を主産業とする田園地帯。なかでもPS3は貴重な現金収入の柱だが、今年は親会社の提供する「ブルーレイ苗」がタバコモザイクウイルスの流行で歩留まり減となるなどの影響で思わぬ不作に。出荷数が激減するいっぽう、価格が暴騰している。警察ではこうした背景を知る事情通の犯行と見て、捜査をすすめている。
被害にあった久夛良木さんは
「PS3は私の娘。返してほしい。まだ虫の駆除が終わっていないので盗んでも損するだけ。次ロットまで待って」
と、涙ながらに犯人に呼び掛けている。