8月も終盤に入り、東京湾近辺のネットでは
「ネットイナゴ漁」
が最盛期を迎えている。ネットイナゴは一年を通していつでも釣れるが、この時期の水揚げがもっとも多く脂がのっているといわれる。漁師さんたちは伝統の技と知恵を絞って漁にいそしんでいる。
江戸前ネットイナゴ組合に所属する武呂具格蔵さん(68)は、イナゴ漁20年のベテラン。かつてはアスキーネットのjunk.testで一本釣りをしていた古株だ。腕一本とキーボードひとつでたくさんのネットイナゴを網にかける。一日で千匹近いイナゴがかかったこともあるという。
ネットイナゴ漁のコツは、やはり記事のネタ。武呂具さんは
「最近食いつきがいいのは、やっぱり中韓擁護や政府批判だねえ。目の死んだネットイナゴがワンワン食いついてくるよ」
と語る。また、ネタに半熟卵をまぶしておくと釣果が段違いだという。そのときそのときの社会情勢に応じて、しっかりネタを選ぶのがプロのイナゴ漁師の腕の見せ所だ。
ネットイナゴは小群体としては世界全土に生息しているが、先進国で大量に釣れるのはここ日本だけ。歴史的に見ても世界に誇るわが国特有の生き物で、過去には
- 関東大震災時に大量発生し、朝鮮人虐殺を引き起こした
- 太平洋戦争時に一億以上の群れがあらわれ、非国民をあぶりだした
などの例で知られている。大本営発表や2ちゃんねるまとめサイトの情報を鵜呑みにするのが特徴で、脳みそが少ないためあっさりとした味がするという。
武呂具さんらが釣り上げたネットイナゴは、その場で冷凍されて永田町に送られる。主に与党政治家に多い愛好家らが好んで購入し、刺身や甘露煮などにして舌鼓を打つのだそうだ。東京での漁は8月いっぱいまで続く見込み。