安易なライダーもの・戦隊ものばかりもてはやされる特撮市場に、まったく新しい企画が登場した。今月から放映が開始される
「超政権バロム・ハトヤマ」
だ。正義感あふれ友情厚い兄弟が悪と闘うために合体し、強力な政権を担って日本に平和をもたらすというストーリー。よみうりテレビ系列。
あらすじ。大日本で、戦後60年以上にもわたって覇権を争い続ける二つの力があった。いっぽうは保守本流として正義と原子の力がかたちをもった「ナベツネー」。もういっぽうはそれ以外が具現化した「ドルゲ」である。着々と日本を蝕んでいくドルゲに危機を感じたナベツネーは、ほかに選択肢があまりなかったので世襲議員である二人の政治家、鳩山由紀夫と邦夫の兄弟に超能力をもった政治家である
「バロム・ハトヤマ」
に変身する能力を授け、ドルゲを打ち倒す使命を与えた。
バロム・ハトヤマは、由紀夫と邦夫のふたりの心が所属政党を超えてひとつになったとき
「大連立(バロム・クロス)」
と叫ぶことで変身し、日本を強大な単一政党国家にすることができるのだ。正義のバロム・ハトヤマは、友人の友人であるテロリストなどをうまく使いながら、ドルゲの手先として暗躍する魔人の「カバゲルゲ(共産主義者)」や「カメゲルゲ(反米保守)」などと闘い続ける…。
主人公の由紀夫が「元代表の傀儡」と呼ばれて悩んだり、邦夫も「ていうか与党は全部アメリカの傀儡」と呼ばれて悩んだりと、人物描写やドラマ展開に力が入っており単純な勧善懲悪モノで終わらないところが魅力。放映開始が待ち遠しいかぎりだ。