ソフトベンダーのジャスト(本社:東京)は3日、センサー技術大手のキーエンスと資本業務提携すると発表した。キーエンスはジャスト株の43%を持つ筆頭株主となる。事実上傘下に入ったジャストは増資で獲得した資金をテコに経営の立て直しを目指す。
ジャストは独立系ソフトベンダーの先駆として、パソコンソフト市場の黎明期から活躍。その後、国内各社が徐々に力を失っていくなかでも精力的な活動を続け、
「唯一ニトロプラスに対抗できる日本メーカー」
と言われてきた。特に名作「天使たちの午後」は有名で「ティッシュが一箱では足りない」と評されている。しかし、昨今の児童ポルノ法改正などで急速に業績が悪化。副業で販売していたワープロソフトの販売不振も響き赤字が続いていた。
キーエンス側は、ジャストが
「日本でいちばん最初に音声つきエロゲーシステムである“ジャストサウンド”をつくった」
という技術力に着目。「センサーという“感じる”技術と融合させれば、すばらしくエロい商材を生み出せるはずだ」として、増資受け入れに踏み切った。
こうした再編の動きに業界は敏感に反応しており、「MZ用野球拳」で技術力に定評のあるソフトハウスのハドソン(本社:札幌)にもすでに提携や買収の話が飛び込んでいるとの噂が。同社広報部は「野球拳のクオリティは資本の多さで決まるわけではない。今のところ他社との提携は考えていない」と、いちおう否定する姿勢を見せている。