「鉄道の日」の14日、全日本レール鉄同好会(本部:品川)が都内大崎で総会を開いた。席上、
「真の鉄道ファンと呼べるのは、われわれ“レール鉄”だけである」
との宣言が読み上げられ、満場一致で採択された。
レール鉄は、鉄道の線路を構成する軌条(きじょう)=いわゆるレールだけを好む鉄道ファンのこと。最近ではキモくないタレント鉄オタの登場で鉄道趣味が市民権を得つつあるが、レール鉄はかねてから「あんなものは鉄道趣味とは言えない」と主張してきた。
「鉄道とは文字通り“鉄の道”。つまりレールのこと。レールこそが鉄道の主役であり、列車や駅弁などおまけ。真の鉄道ファンならレール鉄の道を突き進むべき」
というのだ。
総会では「エセ鉄道ファンにしてただの“列車好き”である“乗り鉄”などを撃滅し、レール鉄が鉄道界を前衛として支配していく」という“レール鉄原理主義”の推進をあらためて確認。その後、レール廃材でつくられた会場近くの白金桟道橋を見学して美しさを堪能したのち、来年の再会を期して解散した。おみやげに「廃レール文鎮」をもらった参加者は、みなうれしそうだった。
しかし、レール鉄の組織も一枚岩ではない。快適なロングレールを至高とする「ロングレール派」や、継目板のガタンゴトンこそ風流とする「短尺レール」派、さらには全路線のアプト式ラックレール化を掲げる「全アプ連」など、さまざまな過激セクトが水面下で血みどろの内ゲバを繰り広げているとの噂がある。内紛を乗り越えてレール鉄が鉄道界の統一支配を果たすことができるのか、今後の動向から目が離せない。