あす25日、空母「ジョージ・ワシントン」が米海軍横須賀基地に入港し正式配備となる。日本ではじめての原子力空母の配備とあって、一部では不信の声もあった。しかし、同空母にまつわる本土アメリカでの“美談”がここにきて急に明らかとなり、にわかに「ワシントンは立派」「ワシントン歓迎」の機運が盛り上がりつつある。横須賀市民の中には涙でハンカチが足りなくなる人も続出とか。その美談とは…?
話題となっているのは、ジョージ・ワシントンが横須賀配備以前に住んでいたヴァージニア州ノーフォークでの話。当時、ジョージ・ワシントンはまだ幼く、乗組員が基地外で泥酔して狼藉するなどやんちゃ盛りであった。そんなある日のこと。ワシントンは父のニミッツが大事にしている核燃料棒を上げ下げしてひとりで遊んでいるうちに、誤って放射性物質を漏らしてしまう。
その夜、帰宅した父はガイガーカウンターの数値が跳ね上がっていることに気付き、いぶかしんだ。ワシントンは、どんなに怒られることかとビクビクしながらも、勇気を出して言った。
「放射能を漏らしたのはぼくです」
そのことばに、父は意外にもワシントンを許し
「よく言った。おまえの正直さは横須賀市42万人の命よりも価値がある」
と褒めたたえたという。ジョージ・ワシントンの正直で一途な性格がよくわかる逸話だ。
この美談が伝えられると、横須賀の市民らはみなホロホロと涙を流し、
「こんな人格者に対して、われわれは入港反対などと騒いでいたのか。自分たちの非国民ぶりが情けない」
と反省。あすの歓迎パレードの準備にいそしみはじめたという。ジョージ・ワシントンが横須賀になじみ、正直に放射性物質を垂れ流す日が待ち焦がれてならない。