大規模な不正アクセス事件、個人情報流出が相次いでいる。こうした事件の防止にはセキュリティ意識の向上が不可欠だが、「むずかしい」「つまらない」と敬遠されがちだ。そんなときにおすすめの良書が登場した。フランス書院の新刊「女サーバ・肛虐のSQL」だ。
「女サーバ…」は、“エロスを楽しめて同時にセキュリティを学べる”が売りのフランス書院新シリーズ「セキュリティエロス」の第一巻。著者はこれがはじめての作品となる綺羅浩光だが、いままで無名だったとはとても信じられない筆致。セキュリティに対する造詣の深さも驚きだ。読んでいると股間の高ぶりとともに知識レベルも高まっていくのを感じる。
「ちょっとクロスサイトスクリプティングしたくらいで、こんなに個人情報を漏らしやがって。ほんとはクラックしてほしかったんだろう」
オレは言葉責めを続けた。
「そ…そんなこと…」
「そうは言ってもカラダは正直だぜ。こんな大きなセキュリティホールが、いやらしく開いているじゃないか…。さあ、入れるぞ」
オレは猛々しく怒張したSQLをズブリと入れた。
「ダ、ダメっ!
ああっ! SQL入ってくるッ! 入ってきちゃうよォッ!」(本書から抜粋)
ほかにも、オレオレ証明書を使っている公共団体にムリヤリ電話をかけてテレホンセックスに持ち込むシーンなど、読みどころに事欠かない。リアリティあふれる描写はとても想像だけの産物とは思えず、筆者の経験の豊富さをうかがわせる。気が早いようだが、次の作品もぜひ読んでみたい…と浩光ワールドに引き込まれてしまった。