三菱東京UFJで12日に実施されたシステム統合に伴い、大規模なトラブルが発生中だ。セブン銀行ATMでの出金ができない事象はすでに広く報道されているが、それだけではない。利用者の人生をも狂わせかねない深刻な問題が起きていることが、弊紙の調べでわかった。メガバンクのシステム投資への見積もりの甘さ、消費者軽視の姿勢はいつまで続くのか…。
トラブルに巻き込まれたのは、都内在住の山田としあきさん(35)。
「入ってるはずの金が引き出せないだけじゃない。残高もゼロになってしまった」
と、なかば憤り、なかば泣きそうになりながら弊紙の取材にこたえてくれた。庶民のなけなしの預金を一瞬にして消してしまうとは…過去の銀行システムトラブルでも類を見ない重大な事故だ。
としあきさんによれば、実家のおふくろさんに送金依頼した30万円が今朝には三菱東京UFJの口座に入金されているはずだった。しかし、朝イチで残高照会をしてみたところ
「ゼロ円だった…。仕送りが消えてしまっていたんだ! あの30万でオレは最新クアッドコアマシンを組み立て、クリエイティブな活動をしてビッグになるはずだったのに…!」
銀行窓口で行員に抗議したものの、小口顧客だからなのかまともに相手もしてもらえなかったという。
としあきさんのビッグなサクセスストーリーは、メガバンクのミスで泡と消えてしまうのか…。金融庁に問い合わせてみたが、こちらも
「母の日に何もしてもらえずガックリしたことによる“送金側”の問題の可能性もある。よく調べたうえで対応したい」
と暖簾に腕押し状態。としあきさんは行政の無為無策にめげず、おふくろさんに仕送り再送を頼む予定とのことだ。この問題については弊紙も他人事ではないため、今後の動向を徹底的に追跡していく方針。