産地偽装や不正表示で営業休止に追い込まれた高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)が、新事業を始めることを明らかにした。他の外食企業に類を見ないユニークなサービスで、民事再生手続き中の身から一転再起を賭ける。
同社が新たに取り組むのは
「あのコの食べ残し料理サービス」
だ。モテない男性の「想いを寄せるあのコと、せめて間接的にでも口づけをかわしたい…」という切ない願いをかなえる、画期的なもの。ビジネスモデル的には
- 利用者が間接キスしたい女性と吉兆に来店
- 食事をする
- 吉兆は、女性の食べ残しや箸を男性に引き渡す
というかたちになる。
男性にとっては彼女の唾液のついた箸をなめまわしたり歯型のついた残りものを味わったりできるいっぽう、吉兆にとっては毎日の残飯を削減し環境対策になるメリットがある。同社の湯木正徳前社長(74)は
「モテない男性と地球にやさしい吉兆として再スタートしたい」
と意気込みを語る。
残飯の提供という一般の料亭ではノウハウのない分野への進出となるが、吉兆では営業休止前からこうしたサービスの実験を重ねており「経験は十分」(同社長)という。果たして、残りものと間接キッスは老舗を救う切り札となるのか。注意深く見守ってゆく必要がありそうだ。