血液の提供を求めるチェーンメールがインターネットや携帯電話を介して広がり、献血事業をおこなう日本赤十字社などに多数の問い合わせが殺到。業務に混乱をきたす事態となっていたことが24日までにわかった。同様のチェーンメールは「RhマイナスB型の三歳児を助けて」というものが先日話題になったばかり。今回は
「処女の血がほしい」
という妙に具体的な内容だったため、関係者は「何者かのいたずらではないか」と見ている。
メールが出回りはじめたのは21日ごろ。受信した人によると、
「資産家で爵位ももつハンサムな男性が、血が足りず苦しんでいます。彼を救うにはできるだけ多くの処女の生き血が必要です。献血される方は都立青髭病院までご連絡ください」
というもので、連絡先電話番号も書き添えられていたという。日赤本社には、これを読んだ人から「玉の輿に乗れるチャンスか」「なぜ処女でないとダメなのか」という問い合わせが殺到。一時、正常な業務がおこなえなくなった。
文中にある「青髭病院」は実在せず現在は電話も不通だが、メールが出回りはじめた当初は怪しい東欧なまりの男性が電話に応対したとのこと。実際に献血しようと思って問い合わせたひとり、櫻井よしこさんは
「“ほんとうに処女か”と質問されたので“もちろんです”と答えると年齢を聞かれた。62歳だと言うとため息とともに電話が切れた。失礼きわまりない」
と憤懣やるかたないようすで語る。日赤には同様の失礼な対応を受けたハイミスからの苦情が多数寄せられ、混乱に拍車がかかる原因となった。
献血事業関係者は
「処女に限って献血を求めることはありえない。そもそも日本では清純な処女はもはや希少ですよ。そんな血が必要な病気があれば国内では治療不可能でしょう。明らかにいたずらですね」
と、チェーンメールの内容を一笑に付す。なお、24日夕の福岡県北九州市では、がっかりしたようすで日本海を越え大陸へと渡っていくコウモリの群れが目撃されたという。