例年この時期に開かれているデカール・ラリーだが、今年は開催前日のきょうになって急遽中止となることが決まった。主催の株式会社タミヤ(本社:静岡県)は、
「いわゆるガンプラの普及でマーキングシールの品質が向上し、デカールの人気が低迷しつつあるため」
と中止の理由を語っている。スケールモデラーのあいだでは「これも時代の流れか」と失望の声が広がっている。
デカール・ラリーは、水転写式シール=デカールをプラモデルに貼る技量を競う全国唯一の選手権。子どもたちや大きいお友だちが正月のお年玉で購入したプラモを持ち寄り、24時間にわたってデカールを貼り続ける。シートを切り水に浮かべる際の所作の美しさや、デカールを貼付したあとに気泡が残っていないか─などをポイントとして審査がおこなわれ、もっとも美しくデカールを貼れた者には
「デカラー」
の称号が贈られる。
しかし、このところバンダイが販売する「ガンダム」シリーズのプラモデル─いわゆる「ガンプラ」が人気を博するにつれ、デカールはその地位を追われつつあった。最新のガンプラは誰もが簡単に貼れ、しかもリアルに仕上がるマーキングシールを採用。フィニッシュにバラつきの出るデカールが敬遠される要因となっていた。これがデカール・ラリーの競技人口縮小を呼び、今回の開催中止につながったと見られる。
デカール・ラリーの中止について、かつてプロのスケールモデラーとしてならした経歴をもつbogusnews編集主幹は「ある意味時代の流れであり、しかたがないのかもしれない」と評しつつ、
「年始に買った“機動戦士ガンダム00”の“ティエーレン”が超良かった。ダサかっこよくて、可動も多い。川村ゆきえ似の彼女とこたつにこもってつくった(夢を見た)」
と話していた。