ソニーは8日、同社の携帯オーディオプレイヤー「ウォークマンA」の新機種を発表した。直前に米Appleが出荷開始した「iPod nano」を意識した商品となっており、「nano3台ぶんの性能を実現」(同社関係者談)しているのが特徴。高性能モデルの投入で一気に巻き返しをはかる構えだ。
発売されるのはフラッシュメモリ搭載型「NW-A609」。iPod nanoの最上位機種である4GBモデル3台ぶんの12GBものメモリを搭載する。寸法はnanoのW40×H90×D6.9mm・約42gに対し、外装に使われているガムテープ部を除けばW40×H90×D20.7mm・126gとちょうど3台ぶんに相当する。希望小売価格は83,400円。色はブラックとホワイトを用意するが、商品によっては色が混じることがある。
NW-A609の最大の特徴は「iPod完全互換」。iTunesと連携しAAC、MP3、WAV、Apple LosslessなどiPod nanoと同じ再生フォーマットに対応するほか、前面に配置されたクリックホイールUIや下部のドックコネクタまで完全にiPodを再現している。なお、ヘッドフォンジャックとドックコネクタは3つ装備しており同時に3つの音楽を再生することも可能。操作パネルは一つしかないが「ユーザーがガムテープをはがしてカスタマイズすれば最大3つの操作パネルを利用できる」。ただし「カスタマイズ時に背面にリンゴマークが現れることがあるが見なかったことにしてほしい」。
これまでのソニーのイメージをくつがえす斬新な製品だが、肝心の発売日については「9月中をめどとしているが未定」とのこと。同社幹部は生産用部材の調達がまだ不十分であることが原因としており「いまApple直営店を駆けずり回って買い占めている」もよう。部材が揃いしだい社員を総動員してガムテープによる組み立てを行い、順次出荷するという。
- 2005
- 09/08 16:52