アニメ化もされた同名コミックの実写映像作品。原作は総部数3,900万部を売り上げた伝説の人気マンガだ。香港で制作された逆輸入映画だという点も話題を呼んでいる。主人公のD51には台湾のスーパースター、ジェイ・チョウが顔ハメで出演。
実家が豆腐屋という以外は、ごくふつうの高校生・巧海。彼は父親のD51形蒸気機関車-通称「デゴイチ」で豆腐を配達するうち、完璧な操車テクニックを身につけた。やがて彼の地元・アキナ峠では「アキナのデゴイチ」として知らぬ者のない走り屋にまで成長する。そんな彼の前に、噂を聞きつけて強力なライバルが現れた。日本最大最強の旅客用蒸気機関車C62形-「シロクニ」を操る機関士・高橋涼介。はたして巧海は…。
見どころはなんといっても実車を使った蒸気機関車同士の牽引勝負。急勾配をバック運転でのぼりつめるシーンには、思わず手に汗をにぎってしまう。巧海の勝負相手としてめずらしいED40電気機関車アプト式車両が登場するところも要チェックだろう。戦時期に乱造された機関車の生き残り・D52が、激しいバトルのすえボイラーを爆発・炎上させてしまうなど涙を誘う場面ももちろんおさえている。ただ、終盤に「謎の走り屋」として姿をみせる0系新幹線が、巧海と同じ狭軌線路を走るのは鉄道ファンとして残念。パンフレットには「ミニ新幹線という設定」とあったが納得できない。唯一しこりの残る点で惜しいと感じた。
- 2005
- 09/04 22:15