タツヤ館長(右)と恋人の浅倉南ちゃん佐賀県の武雄市で、市立図書館が今月から一風変わったライブラリーにリニューアルオープンした。その名も「タツヤ図書館」。高校野球選手である一卵性双生児の兄が館長を務め、自らの半生をふりかえる展示を中心に運営する。
館長のタツヤこと上杉達也くんは、市内で甲子園をめざす球児として汗を流す高校生。だが、以前はなにごとにも真剣に打ち込めずいいかげんな日々を過ごしていたという。しかし、弟の和也くんが交通事故死してから心機一転。白球を追いかけるさわやか少年に生まれ変わり、幼なじみの南ちゃんともいちゃいちゃするというリア充に。武雄市が新図書館館長就任への声をかけたのも、そんなサクセスストーリーを市内の若者と共有してほしいとの思いからだという。
1日にオープンした図書館では、タツヤくんの活躍を描いた漫画のほか、絵柄と内容の見分けがつかないあだち充作品を多数取りそろえている。タツヤ関連の蔵書数では「日本一ではないか」(武雄市役所)という。
いっぽう、開設の手はずを高校生にまかせたために一部には不備も。利用者カードをレンタルビデオチェーン会員証と併用するかたちを採り、個人の図書閲覧情報がダダ漏れ状態になっていたり、図書館利用でポイント付与される脱法状態になっていたりと問題は多い。この件について、タツヤ館長は「嘘みたいだろ、これでも図書館なんだぜ…」と名台詞をキメたかっこうのコメントを発表しており、ファンは「それじゃあしょうがないかー」と不問に付さざるをえない状態と言えそうだ。