香川県と言えばうどんの生産・消費量の多さにちなみ、出身のタレントなどを動員してみずからを「うどん県」と改名する運動を進めていることでおなじみ。しかし、ここにきて同県に対し思わぬ逆風が吹きはじめている。「うどんよりもっと生産量の多い産品を隠している」というのだ。
香川県の「隠れた名産品」と指摘されているのは、
「うどんの茹で汁」
だ。香川は年間10万トンにも達するうどんの一大消費地だが、識者によれば
「容積にして10から100倍もの茹で汁が人知れず生産されている」
というから驚くほかない。
また、一日三食はもちろん、おやつに夜食までうどんを食べるという香川県民の慣習はよく知られているが、
「乏しい水資源の替わりに茹で汁を飲んで育つ」
という県外では信じがたい事実もあるという。うどん県大使として活動中の俳優・要潤氏がデビュー当時滑舌の悪さに悩まされたのも、茹で汁の飲み過ぎで火傷した子ども時代の古傷が原因とか。
これほどまでの豊かさをもち、そして親しまれてきた茹で汁の存在をなぜ香川県は隠そうとするのか。疑惑を抱かざるを得ないが、識者らは「とにかくうどんよりも大きなウリがあるのだから、それをアピールしないのはおかしい。あらためて“茹で汁県”として出直すべきだ」と舌鋒鋭い。ことが茹で汁だけに議論が沸騰しそうだ。