JR東日本が車内マナー向上のために開発した新型座席に、思わぬところから苦情があがっている。出所はなんと通勤地獄の一番の被害者であるはずの男性サラリーマン。
「苦しい毎日のささやかな楽しみを奪うな」
というのだ。
JRが開発したのは、特殊な立体構造により自然とマナーよく腰掛けられるという電車用シート。微妙なへこみを設けることで、足をおっぴろげたり隣の人にもたれかかったりするのを防ぐしくみ。早ければ6月から山手線に試験導入される。
これに反発しているのが毎日通勤地獄を味わっているサラリーマンたちだ。
「深夜の電車で向かいに座った女性が股をおっぴろげてくれないか、隣の女性が肩にもたれかかって寝てくれないか……われわれはそれだけを楽しみに仕事をしている。ささやかな幸せを奪うとは非道の極み」
と涙ながらに語るのは、東京社畜ユニオン代表の毒島耕太さん(45)。
毒島さんによると新型シート導入で失われる勤労意欲は、年間およそ30億円にも相当するという。「こんなものを開発するひまがあったら、もっと見えそうな角度の座面にするとか乗客のニーズに応えるべきだ」と鋭い指摘も。JR側は「よくわからないが前屈みで検討したい」と話している。