憎むべき戦争犯罪の実在を、なんとDNAが証明?──ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所は、ネアンデルタール人女性の遺骨から採取したDNAを分析し、
「現生人類によるネアンデルタール人への民族浄化事件は実在した可能性が高い」
との結果を発表した。これまで実在論・否定論入り乱れていた同事件について、決定的な一打となりそうだ。
ネアンデルタール人は約3万年前に絶滅した人類だが、地上から消えた理由については謎が多く、
「現生人類が民族浄化(エスニッククレンジング)と称し、男は皆殺し、女はレイプしたため」
という民族浄化事件説が提示されていた。
しかし、民族浄化の実在については
- 現生人類にはレイプなどという野蛮な文化はない
- もしあったとしてもすべての女性をレイプできるわけがない
など異論が多かった。今回の研究は、ネアンデルタール女性の遺骨から採取したDNAの1~4パーセントが該当地域在住の現生人類に受け継がれていることから「エスニッククレンジングはあった可能性が高い」と結論付け、実在論の確度を高めるものだ。
いっぽう、否定論者からは
「ネアンデルタール女性は確かに現生人類と交雑していたかもしれないが、いわゆる売春婦で自発的な意思によるもの。エスニッククレンジングはなかった」
との指摘も出ている。ネアンデルタール人絶滅の全容解明は、まだまだ遠そうだ。