ゴールデンウイーク谷間の30日、東京・太田市場の野菜取引ではニンジンがキロ単価前日比マイナス2円など、軒並み価格下落か維持と1ヶ月半ぶりに高騰路線にブレーキがかかった。先月来の長雨にはじまった今回の野菜高値は消費者のふところに大ダメージを与えたが、ようやくホッと一息つけそうだ。この朗報の裏に、実はとある愛国少年による献身的な奮闘があった。
この少年は世田谷区在住の小学生・たかしくん(11)。たかしくんは4月初めから野菜の高騰に悩むお母さんの姿を見ては心を痛めていたとのこと。「何かできることはないか」と考えたたかしくんが始めたのが
「給食で出る野菜のボイコット」
だった。
以来、たかしくんは給食で出た野菜をすべて残すという地道な努力を続けた。サラダの葉もの野菜はもちろん、シチューやカレーに混ぜられた小さなニンジンも見逃さず残したという。途中、モンスターティーチャーの妨害に遭ったものの「よし子先生がやおい同人誌を描いていることを教育委員会にバラすぞ」と脅すなどして、うまくやりすごした。
こうして野菜をしっかり残したことが功を奏し、市場での需給バランスが崩れたことで今回の野菜高騰に歯止めがかかった。「単純な古典経済学ですよ」と、たかしくんは語る。おかげでお母さんにも笑顔が戻ったが、まだ野菜ボイコットの手を緩める気はないと言う。「これからは家でも野菜を残して価格をもっと下落させたい」とのこと。母を想う少年の愛は、野菜農家を全滅させるまでとどまることを知らないようだ。