「がんばって」
「期待してるよ」
とある選挙区の、とある立候補予定者が駅前に立っていると、有権者のほうから応援の声が飛んでくる。よほどの若手新人かと思えばさにあらず。うだつのあがらなそうな和服姿の年配男性だ。この男性立候補予定者、民主党が禁止を打ち出し自民党も二期後からの公認取りやめを掲げる
「雪舟議員」
のひとりである。
雪舟議員については、かねてから
- 絵ばかり描いてお経を読まない
- 有権者を名画で買収するかも
と弊害が指摘され、今回の選挙では各党から禁止の方向性が示されるなど風あたりが強い。しかし、いったん市井に出てみれば政界での議論とは正反対に強い一般有権者の支持に驚かされる。弊紙が取材した選挙区では、有権者が雪舟立候補予定者に「この絵にサインしてくれ」とせがむ姿まで見られた。
実際に有権者の声を聞いてみると
「涙を使って足で床にねずみを描くなんてすごい苦労をしてきた人なら、庶民の痛みがわかると思う。雪舟議員の何がいけないのかわからない」
といった意見が大半だった。禁止どころか存続を願う世論の強さに驚かされた。
こういった情勢を受けて、雪舟議員に詳しい専門家の中島誠之助さんも
「間違いありません。いい仕事してますねえ」
と、弊害ばかりではないことを力説する。果たして雪舟議員は是か否か。総選挙という“みそぎ”に審判は委ねられている。