家電メーカー大手のソニー(本社:東京)に対し、賠償を求め裁判に訴えるケースが相次いでいることが28日までにわかった。「同社製デジタルカメラにより経済的・精神的被害を受けた」というもので、これまで提訴に踏み切ったケースはわかっているだけで全国で30件にものぼる。問題になっているのは、先ごろ発売された新機種「DSC-T200」「DSC-T70」が搭載する
「スマイルシャッター機能」
だという。
都内商社勤務のOL・A子さん(29)も、今週はじめに東京地裁に訴え出たひとり。事件が起きたのは、A子さんが昇進をチラつかせるセクハラ上司とイヤイヤ飲みに行った席でのことだ。「ねえ~、このカメラ、笑うと自動でシャッターが切れるんだよ~、A子ちゃん撮らせてよ~」としつこいため、作り笑いを浮かべてやったところ、まったくスマイルシャッターが動作せず
「ちちちくしょう、オレなんかには本気で笑えないってか、このスベタが!」
などと逆ギレされる原因となってしまったという。その後、この上司はまったく昇進の話をしてくれなくなった。A子さんはソニーに対し「同社製品の欠陥が原因なのは明らか」として、昇進で得られるはずだった逸失利益の支払いを求めている。
また、都銀行員のB美さん(24)は「スマイルシャッターのせいでストーカーに取り付かれた」と一億円の慰謝料を求めて裁判を起こしている。きっかけは、B美さんがまったく気のないブサ男(30)のおごりでフルコースディナーを楽しんでいたときのこと。
「あなたとはずっといいお友だちでいたいの」
とほほえんだところを相手がDSC-T200で撮影したが、シャッターが切れなかったために愛想笑いだということがバレてしまった。それ以来、B美さん宅の郵便ポストに使用済みティッシュが投げ込まれるなどのストーカー行為が多発。かなりウンザリさせられているという。
この件では、ほかにもマクドナルドの女性店員らが集団訴訟に踏み切るかまえを見せるなど、まだまだ火の手が広がり続ける可能性が高い。いっぽうソニー側は、今のところ
「係争中の裁判に関わることなので具体的なことは何も話せないが、弊社の技術力の高さを理解していただけないのは誠に残念」
とのコメントを発表するにとどまっており、商品の回収・修理・補償などは行わない方針だ。