福島県会津若松市の母親殺害事件で、容疑者の少年(17)の住んでいたアパートから残虐な殺人を題材にした複数の本が見つかっていたことがわかった。福島県警が「事件を引き起こす原因のひとつになった可能性もある」として捜査をすすめている。事態を受け、文部科学省ではこの悪書を発売禁止にすることも視野に検討をはじめた。
発見されたのは
「古事記」
と題された全4巻の本。同書中では、生まれて間もない赤子を父母が川に流す“子殺し”のほか、弟をクマソ征伐に無理矢理行かせて死なせる姉─など残虐きわまりない“同族殺し”が多数描かれている。捜査本部が特に注目しているのは、子どもが実の母親の股間に火をかけ焼き殺し、黄泉の国おくりにするシーン。思春期の子どもには非常に刺激の強いもので、「少年がこれに触発されて実母殺しを思いついたのは間違いない」という。
同書が青少年に悪影響を及ぼす可能性については、識者が以前から指摘してきた。70年ほど前にはこの本を読んで空想と現実の区別がつかなくなった日本人が、30万人以上を虐殺する事件があったとかなかったとか言われている。最近では、古事記を現実の話と思いこんだ自称学者があやしげな教科書を書いて押し売りをはじめてしまうという事件も発生。“伊勢崎の萌えないジャンヌダルク”として知られる伊藤純子市議会議員は、
「女性が上になる騎乗位でのセックスを描いたシーンもある。これが昨今の悪しきジェンダーフリー蔓延の原因になっている」
と厳しく指摘する。
内閣総理大臣補佐官で教育再生担当の山谷えり子氏は、午後の記者会見で
「事実とすればおそろしい話だ。子どもたちの目にこうした悪書が触れないよう、慎重に規制を検討していきたい」
とし、文科省に調査の指示をしたことを明らかにした。バーチャルリアリティの悪弊から社会を守るためには、まさに待ったなしの状況と言えそうだ。