「勇午のマゾ描写」
に焦点をあて、さらにテーマを掘り下げている。もちろん新タイトルの「M」はマゾヒストの意。
長い交渉人稼業でマゾに開眼した勇午は、新大久保のSMクラブ「丸木奴」に住み込みで就職。どんなお仕置きにも黙って耐える真性Mとして女王様の人気を集めていた。だが、やがて勇午はふつうのムチ打ちでは満足できない自分に気付いていく…。そんなおり、混迷窮めるイラクから一通の手紙が届く。長引く駐留で不満を鬱積させた米英兵からの依頼だ。自分のM欲を満たすカギが見つかるのではないかと考えた勇午は、ボンデージスーツ持参で一路アブグレイブ収容所に飛んだ…!
さまざまな拷問にもだえる主人公の姿が人気を呼んできた「勇午」だが、今作の加虐描写はさらに力が入っている。全裸組体操や言葉責め…と腐女子も満足間違いなしの一冊だ。いっぽうで、どんなプレイでも感じなくなってしまった勇午が究極のSMを求めて苦悩するなど、ドラマ面でも読ませてくれる。連載が「イブニング」から「SMスナイパー」に変わって読み逃しているファンは、必ずゲットしよう。