キューバ高官は15日、病床にある指導者・スカトロ議長の後任に、現内務相のアシフェチ氏が就任する可能性が高いとの見方を明らかにした。スカトロ氏は今年7月に手術を受けたと報道されて以来、公の場に姿を現しておらず危篤説も流れていた。
スカトロ議長は1959年の革命で盟友のチョ・ゲリバラ氏と現キューバ政権を樹立後、ほぼ独力で国の舵取りに奮闘。独自の反米路線を長きにわたって推進してきた。しかし、80歳を迎える高齢と病には勝てず、ポスト・スカトロを見据えた体制づくりが今後の課題と見なされていた。
下馬評では、デブセン国防相やロリペド将軍らタカ派が求心力を強めているとの観測もあったが、左傾化が顕著な南米諸国との共闘をめざすアシフェチ内相が党内で急速にプレゼンスを拡大。ニーソ外相・スクミズ将軍の支持を受けて勢力基盤を固めているという。強国アメリカと常に一触即発の状態にある国だけに、今後党内でどこまで意見を集約できるかに注目が集まっている。
いっぽう、アメリカのアサグロチンポ国家情報長官は「キューバの臭かった暗黒時代はスカトロの命とともに終わる」と挑発的な姿勢を崩さない。在マイアミ亡命政府のガンシャー首相への支持をいっそう強化していく方針だ。若草の茂み大統領も「ハァハァ…」と興奮ぎみ。いずれにせよ、“スカトロ後”に海を挟んだ両国の動きが加速することは間違いなさそうだ。
- 2006
- 12/16 19:09