クリプトン・フューチャー・メディア(本社:東京)は5日、同社の人気DTMソフト「ボーカロイド キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第4弾となる新作を開発中であることを明らかにした。ボーカロイドは歌詞を与えるとキャラクターが歌ってくれるというツールで、ネットの動画共有サイトなどで人気を呼んでいる。
「初音ミク」「鏡音リン・レン」「巡音ルカ」に続く第4弾作品は
「和音アキ(わねあき)」
と命名された長身+オカッパキャラ。最大の特徴は、どちらかといえばオタクウケを狙いアイドルPOPにチューンされていた今までのボーカロイドと異なり、アダルトな雰囲気の
「ソウルシンガー仕様」
となった点。これにより、
「♪はあのころはー、ハッ!」
「はーひふーへほー!」
などみごとな歌唱力を実現。紅白のトリを目指すことも可能になった。
いっぽうボーカロイドの醍醐味といえば、いかにうまく歌わせるか微調整を繰り返す「調教」。和音アキでは、この調教に新たにゲーム性を取り入れ、一筋縄では思うとおりに歌ってくれない機構を搭載した。和音アキの調教には、まずファミリーとして認めてもらうために毎晩宴会に呼び出されて深酒をしたり、賭け麻雀につきあったり、理不尽な暴力を耐え忍ばねばならない。
和音アキの音声データ作成を担当したのは、とあるソウルシンガー(プロレスラー兼業)とのことだが、匿名で男性か女性かさえも明らかにされていない。また、開発に当たってはスタッフが次々に酒でつぶれたりストレスに耐えられなくなるといった原因不明のトラブルが多発。作業が難航しているという。この点について、関係者の沢村一樹さんは
「(逃げてきて)よかった…」
と話している。前途多難だが、ボーカロイドファンのためにもなんとか完成にこぎつけてもらいたいものだ。