8月も終わりに近づいた最近、都内で
「亜光速で走る小学生」
があいついで目撃されていることがわかった。関係者は「ウラシマ効果で夏休みの引き延ばしをねらう子どものしわざではないか」とみている。
報告があいついでいるのは、都内世田谷区近隣の住宅街。目撃者によると、
「Tシャツ半ズボンで小学3年生くらいの男の子が、光速の90%近いものすごいスピードで駆けずり回っていた」
という。今月20日を過ぎたころからよく見かけるようになったとのこと。近所の人に聞き込み調査をしたところ、この小学生は区内在住の北沢たかしくん(主観時間で11)と見られる。
親しい人の話では、たかしくんは最近
「夏休みが終わってしまう」
「宿題をやる時間がもうない」
「なんとか時間の進みを遅くできないか」
と悩んでいたという。世田谷区教育委員会は「相対性理論のウラシマ効果だ。光速に近いスピードで移動するものの時間は遅く進むことに目を付け、夏休みを引き延ばそうとしているのだろう」と分析する。
しかし、ウラシマ効果は両刃の剣。亜光速移動する本人が夏休みを長引かせれば長引かせるほど、他の人々との時間差が広がり、やがて“時の亡者”になってしまうのだ。区教委は「きわめて危険。早く止めなくては」と警告する。いっぽう、たかしくんのおかあさんは、弊紙記者の取材に対し
「あの子を信じている。いつ帰ってきてもいいように、家の玄関に
“オカエリナサ┬”
のイルミネーションを飾って待っている」
と、涙ながらに語った。