東京地裁は7日、アンパンマンさんが作家のやなせたかしさんを名誉毀損で訴えていた事件について、訴えを棄却する判決を下した。アンパンマンさん側はこれを不服として即時抗告する方針。
この事件は、やなせさんが同氏の著作中でアンパンマンさんについて
「愛と勇気だけが友達だ」
と記したことが発端。これに対しアンパンマンさんが「ぼくにはちゃんとした友達がたくさんいる。事実無根」と怒り、謝罪と慰謝料一千万円を求め訴え出ていた。
裁判には証人としてアンパンマンさんの同僚・食パンマンさんが出廷。
「ぼくはぶっちゃけ彼を友人だと思ったことはない」
と証言して一部週刊誌で話題を呼んだことも。最終的には原告側の切り札とされていたカバおくんが「彼はタダの食料」と法廷で語ったことが決定打となったもようで、同地裁の加藤謙一裁判長は判決理由を「原告に友達がいないのは事実であり、名誉毀損にはあたらない」と述べた。
いっぽう、やなせさんには「いつもおしとやかなのに“バタバタ走っている”と言いふらされ、婚期を逃した」としてバタ子さんからも訴訟が起こされている。“やなせ舌禍”は、まだまだおさまりそうもない。