IP(インターネット・プロトコル)電話事業の近未來通信(本社:東京)は22日、社名を
「超未來通信」
とした新会社に改組し、新たなサービスを開始する方針であることを明らかにした。同社はIP電話網中継局への出資を投資家に募るビジネススキームで注目されてきたが、事業内容が不透明で資金繰りに不安があるとして批判が集中している。
社長の石井優氏は記者会見で、
「近未来の通信技術で利益をあげようとがんばってきたが、世の中の進歩が思ったより早く追いつかれてしまったのが業績悪化の原因。もっと先進的な“超未来”の通信技術を導入することで、他社の追随できないサービスを提供する会社として仕切り直したい」
と、改組の理由を語った。
超未來通信が導入するのは、
「タキオン通信」
によるオーバーテクノロジー。超光速で動く粒子「タキオン」に情報をのせて運ぶことで、光通信を超えた高速・大容量の情報のやりとりが可能になる。宇宙開発が進展した際には恒星間通信に転用することも可能だ。
タキオン通信では、各地に“ルクシオンコンデンサー”でタキオン粒子を貯め込む“タキオン中継局”が必要。同社はこの中継局に出資をつのるビジネスを展開するとともに、既存のIP電話中継局オーナーにも乗り換えを促すことで救済をはかる。記者団からは「超光速通信で因果律が破綻するおそれはないのか」との質問が出たが、「使用するタキオンと同容量のターディオンを衝突させることで相殺するので心配はない」という。
会場では、開発中のタキオン通信電話を石井社長みずから使用してデモンストレーションも行われた。通話は200年後の世界に住む社長の祖母につながり、
「もしもし? おばあちゃん?
えっ? 意志をもったコンピュータがハチュウ人類に反乱を起こした?」
と円滑な通話性能をアピール。一同に驚きを呼んでいた。