惑星探査機はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰ったサンプルカプセル中から、さらに千個以上の微粒子が発見されたことがJAXAの発表でわかった。当初は絶望的と見られたサンプル回収だが発見される微粒子の数は日に日に増えており、ますますはやぶさのお株が上がることになりそうだ。
JAXAによれば、8日にカプセルの内壁をさらにヘラですくいとったところ、新たに千個以上の粒子がこぼれ落ちてきたという。粒子の数が千個にもなるのはこれまでで初めて。カプセルが持ち帰られた当初は「砂粒ひとつすら入っていない」と報じられ国民をがっかりさせたものの、数日後には2粒の微粒子が発見され、先日には十数個、そして今回の千個─と発見される数はどんどん増えてきている。
また、発見された微粒子は「粘着性がある」というふしぎな特徴があり、JAXAでは「地球上の砂にはない性質だ。惑星誕生の謎究明につながるかも知れない」と期待を寄せている。
いっぽう、サンプル調査に携わっている研究員のあいだでは
「微粒子をシャーレの上にのせておいたら勝手に増えた」
とかいう妄言が飛び交っているとのことで、同機構広報部は「長年のミッションで疲れ幻覚を見たのだろう。ゆっくり休ませてやりたい」と話していた。