iPadの発売でにわかにブームを迎えている書籍の電子化。自分で蔵書を電子化する“自炊派”も多いが、敷居の高さから代行業者に依頼するユーザーが増えている。しかし、業界は早くも1冊100円以下でサービスを提供する価格競争に突入。そのため電子化をうたっておきながら違うものに変換してくる悪質な業者が現れ、問題となりつつある。
都内在住の会社員Aさん(32)は、「1冊50円」をうたう電子化代行業者をネットで見つけ、蔵書20冊を郵送し電子化を依頼した。しかし、1週間後に返送されてきたのは電子化とは名ばかり。「マイナスイオン」化された蔵書だったという。しかも、一部にはプラスイオンも混じっているという悪質さで、Aさんは途方に暮れている。
IT企業に勤めるB子さん(28)も、「激安」を掲げる電子化代行業者にBL本50冊を送付。彼女のもとに戻ってきたのは反物質化された蔵書。
「こんなに反物質を送り付けられてどうしよう…。一歩間違えれば地球を消滅させかねない」
と頭を抱える。
こうした悪質業者の跳梁跋扈について、電子書籍に詳しいアップル評論家の林信行氏は「書籍の電子化だけでなく、マイナスイオン化、反物質化などを推進する起爆剤となるとはさすがiPad。アップル万歳」と分析している。