人類はどこまで神の領域に近づくことが許されるのか…。バチカン市国のローマ教皇・ベネディクト16世は14日、日本で進んでいるキリンとサントリの合成話について
「生命の尊厳を踏みにじり神を冒涜する実験であり、キリスト者として容認できない」
と厳しく抗議する声明を発表した。バイオ技術がめざましい躍進をとげるなか、あらためて科学者のモラルと生命観が問われる事態となりそうだ。
問題になっているのは、日本で進行中の
「キリンとサントリを合成して、おもしろいもん作っちゃおうぜ」
という実験。動物による遺伝子組み換え実験はこれまでも多数行われてきたが、哺乳類偶蹄目のキリンと鳥類のサン鳥を合成するような異種間組み合わせは「グロい」として自主規制されてきた。
こうした「キメラ合成実験」が平然となされた背景には、日本人の宗教意識が薄く生命の尊厳に鈍感な気風があるようだ。一説には、キリンとかサントリだけでなく「沢の鶴」まで合成したものを
「チャンポン」
と呼び、一気飲みしては喜ぶという野蛮な風習さえあるという。バチカンの上層部は
「文化・習慣の違いで容認できるレベルを超えている。人道的見地から見て介入はやむをえない」
と、声明発表に至った事情を語る。
ベネディクト16世は、声明文の中で
「キリンさんがすきです。でも、ぞうさんはもっとすきです」
とまで語っており、怒りの強さが伺える。場合によっては日本人全員が破門にされかねないだけに、真摯な態度で対応していく必要がありそうだ。