国際研究チームが東アフリカのマダガスカルで221種もの新種の両生類を発見、話題を呼んでいた件について、これらの“新種”が実は「単にマダガスカルにバカンスに来ていただけ」だったことが判明した。新種呼ばわりされた生き物たちは、騒ぎに巻き込まれたことをやや迷惑げに
「もうカエル」
と話している。功名心にかられがちな科学者たちの研究手法のあり方に、一石を投じる事件となりそうだ。
今回の新種騒ぎでは、「Boophis ulftunni」などのカエルが“発見”されているが、今後の保護体制の検討のため現地を訪れた世界自然保護基金(WWF)の調査官が実際にBoophis ulftunniに聴取したところ、
「べつに新種じゃないケロよ。ゴールデンウイークを利用してマダガスカルに観光旅行に来ていただけケロよ。もうカエル」
と告白。新種であることが“本人”みずからに否定されるという、思わぬ事態となった。
新種として島内に強制足止めを食らっていた他の種についても、やはりパック旅行でやってきた既存種であり「6日にはケーローとしていたのに…」と当惑ぎみだとのこと。WWFでは、
「世界的に絶滅傾向にあり、もっとも数が少ないとされる両生類が200種以上も急に発見されるなど、ありえない話だとは思っていた。新しい種を発見して名を上げたい科学者の功名心が招いたミステイクだろう」
と見ている。
いっぽうで新種発見を報告した研究チームは、学術上初歩的な過ちを犯したにも関わらず
「ケロッ」
としている。これには現地のマダガスカル共和国政府も怒り心頭で、
「まじめに研究する気がないなら、さっさとカエルんだ!」
と在留許可の取り消しも検討中だという。