田母神俊雄航空幕僚長が民間会社の主催する懸賞に「日本は侵略国家ではなかった」と主張する論文を投稿した件に関連して、中山成彬前国交相(65)は1日
「とんでもない話だ。あんな論文が最優秀賞を受賞するのはおかしい」
と、猛烈に批判する見解を明らかにした。閣僚経験者の重みのある発言で、田母神幕僚長の責任追及に拍車がかかることになりそうだ。
問題になっているのは、耐震偽装ホテル経営大手のアパグループが主催した第一回「真の近現代史観」懸賞論文。これに対し田母神幕僚長は「日本は侵略国家であったか」と題して第二次世界大戦に至るまでの日本の戦争行為が侵略ではなかったとする歴史観を綴った作文で応募。最優秀藤誠志賞(懸賞金300万円・全国アパホテル巡りご招待券)を受賞していた。中山氏が激怒しているのは、自身が応募した論文
「すべてはシナリオどおり─“中山文書”に見る現代史観」
が歯牙にもかけられなかったためだ。
中山氏の論文は、日本の近現代史が氏の自宅屋根裏から見つかった古文書
「中山文書」
に記載されたとおりに動いていると主張するもの。特に最近では、中山氏自身の急な辞任劇や東国原宮崎県知事の衆院選出馬検討・辞退など、細かな政変に至るまであらゆるシナリオが記されているという。論文中では「中山文書をひもとけば、近現代に生きるわれわれなど盤上のちっぽけなコマにすぎない」とする
「中山文書史観」
を提案。「エポックメイキングな内容で優秀賞獲得は間違いなかったはず。なんで誤字脱字だらけの田母神論文が300万円もらえて、私はもらえないのか」と氏は憤る。弊紙主幹も3万円をねとらんからいまだにもらえていないだけに、身につまされる。
中山氏は
「日教組の強いホテルほど、私の論文の真価がわからない。火の玉になってぶっつぶす」
と断言しており、今後は徹底してアパグループの不透明な論文審査基準を糾弾していくかまえだという。
審査委員長を務めた上智大学・渡部昇一氏のコメント:
応募論文はさまざまあったなかで、厳正な審査基準に従っていちばん優秀なものを選んだ。ほかにも、南極大陸の地下に旧支配者の眷属がいるとか、レプティリアンが人類を支配しているとかたのしいのがいっぱいあった。一部論文は映画化も検討しているので、楽しみに待っていてほしい