これならスピード社の水着に勝てる? オリンピック水泳の日本選手向けに「まったく新しい技術を採用した水着を提供する」と、名乗りを上げるメーカーが現れた。なんと
「水の抵抗をゼロにする」
のがウリとのことで、事実なら北京での日本勢による大活躍も夢ではなさそうだ。
このメーカーは新興ベンチャーのモーゼ社(本社:シナイ山)。同社の水着は見た目からすでに他社と大きく違い、
「ゆったりしたローブとステッキのセット」
となっている。スピード社の「レーザーレーサー」が体にピッタリ張り付く特殊素材でできているのを見たあとでは、にわかに「抵抗ゼロ」とは信じがたい。
しかし、モーゼ社水着の実演を見学した日本水泳連盟関係者は、その性能に太鼓判を押す。
「選手がコースに立ち、ステッキをかざすと水面が割れた。あとは悠々と歩くだけで軽く世界記録をマークした。奇跡かと思った」
水連では、30日にミズノら3社から提示を受けた水着の性能がふるわなかったこともあり、モ社製品の採用を前向きに検討中だという。日本選手が他国選手を水ごと押しのけ、金メダルに向け悠々と歩く姿をたっぷり堪能できるのか─北京は見逃せない五輪となりそうだ。
いっぽう、競泳女子自由形代表の柴田亜衣(26)=チームアリーナ=は
「わたしはムスリムなので、偶像崇拝するような異教徒のつくる水着は着ない。裸で泳ぐ」
とモーゼ社水着の着用を否定。きっぱりと全裸宣言した。またひとつ、北京五輪を楽しみに待つ理由が増えたようだ。