モスのひみつファーストフードチェーンのモスバーガーは、値上げで収益構造見直しを進めるマクドナルドに対抗。「初心に戻る」をテーマに新たに「食べにくいモスバーガー」を追究する新路線を決定した。4月末から新レシピに移行し、食べにくさを追究する。
ハンバーガー系ファーストフードチェーンでは、安さでの顧客訴求が飽きられ減収に転落したマクドナルドをはじめ苦戦が続いている。モスバーガーも店舗数の増加率が前年割れするなど伸び悩んでいた。マクドナルドでは、従来100円だったハンバーガーを120円にするなど安値路線の見直しを進める方向で対策を講じている。
これに対し、創業時の初心に帰るというやり方で業績改善を狙おうというのがモスバーガーだ。モスといえば、ひたすら食べにくいハンバーガーが特徴。バンズ系バーガーを頼めばソースの垂れすぎで手や口が汚れ、ライスバーガーは熱くて食べづらい上にぼろぼろこぼれるという定評があった。
今回の見直しで、たとえばてりやきバーガーはソースをさらに増量。バンズにしみこむだけでなく、ラッピングペーパーの中に溜まるほどの量にし、食べているとベチョベチョになることをねらう。また、ライスバーガーはライスの固さをおにぎりレベルにまでゆるめ、一口でも噛めば原形をとどめないやわらかさにする方針だ。モスバーガー広報は、こうした新レシピにより「旧来のコアなモスファンを取り戻したい」と語っている。